生涯からだの一部となる眼内レンズが、
手術を受ける方にとり最適なものとなりますよう。

当院では世界中から優れた多焦点眼内レンズを多数取りそろえ、
豊富なバリエーションから最適な1枚を提供します。

国内で認可された多焦点眼内レンズは選定療養にて手術が実施可能です

眼内レンズ(IOL)とは

水晶体の代わりになる人工のレンズのことです。

白内障はひと言で説明すると、目のなかにある水晶体が濁ってしまう病気です。
そして濁った水晶体を取り除き、代わりとなる人工のレンズを挿入し、再びクリアな視力を手に入れるのが白内障の手術です。眼内レンズとは、摘出した水晶体の代わりに挿入される人工のレンズのこと。英語名のIntraocular lensの頭文字をとって「IOL」とも呼びます。

水晶体と眼内レンズの違い

人工とはいえ、
技術は目覚しい進歩を遂げています。

人の水晶体は弾力性があり、遠くや近くにピントを合わせることができます。
しかし、白内障手術で挿入する眼内レンズには弾力性がありません。手術後はピントを合わせる力が急激に減ってしまう弱点があります。この弱点を克服するために開発されたのが「多焦点眼内レンズ」です。

単焦点レンズ

多焦点レンズ

多焦点眼内レンズの
主な特徴

白内障手術と同時に老眼を治療します。

  1. 白内障手術後の「老眼」を矯正するための眼内レンズです。
  2. 手前をどこに合わせるかにより様々な選択肢が存在します。
  3. 健康保険の適応外のため、自費診療となります。
  4. 先進医療特約および医療保険にて治療費が支給される場合があります。
  5. レーザー白内障手術装置を使用することで、最大限の効果を期待できます。
  6. 見え方にやや「クセ」があり、夜間は光がにじんで見えます。
多焦点眼内レンズの見え方

どう見えるのか理解したうえで、
納得できるレンズ選びを。

焦点
2焦点・3焦点・EDoF(焦点深度拡張型)の3タイプがあります。2焦点はあくまで遠方と近方の二つのポイントしか見えませんので、遠方・中間距離・手元に焦点を持つ3焦点、もしくは焦点距離が長いEDoFが優れているということになります。
コントラスト感度
映像のシャープさや微妙な濃淡など「見え方の質」のことです。遠くを見る度数と近くを見る度数の差を「加入度」と言いますが、「多焦点眼内レンズ」では加入度が高くなるほど(手元が見えやすいタイプほど)コントラスト感度が低下します。イメージで表わすと、右記のように「鮮明」に対し、「やわらかい」見え方となります。
ハロー・グレア
多焦点眼内レンズでは瞳孔が大きくなる夜間に光がにじんで見える症状(ハロー)・まぶしく見える症状(グレア)を起こします。プロドライバーの方は避けた方がよいレンズであると考えますが、一般的には日常生活に影響は少なく、徐々に頭が順応し気にならなくなると言われています。
多焦点眼内レンズの見え方

豊富なバリエーションから最適な1枚を。

多焦点眼内レンズは大きく分けてこの2タイプ

高加入度タイプ 低加入度タイプ
遠くの見え方 単焦点より劣る 単焦点と同等
近くの見え方 良好 単焦点より
やや良好
老眼鏡の必要性 低い やや高い
コントラスト感度
(鮮明度)
低下しやすい 低下しにくい
ハロー・グレア 軽度~中等度 軽度
眼内レンズの種類 2焦点
(+3D〜+4D)
3焦点
2焦点
(+2.75D以下)
EDoF

選定療養 〜国内で認可された多焦点眼内レンズです〜

種類 EDoF 回折型 3焦点 連続焦点型
外観 Symphony ActiveFocus PanOptix TECNIS Synergy
名称 Symphony ActiveFocus PanOptix TECNIS Synergy
加入度 +1.75 +2.50 +3.20
費用 150,000円
(190,000円)
180,000
(200,000円)
280,000円
(310,000円)
250,000円
(270,000円)
  • カッコ内は乱視矯正用のレンズ価格です。
  • 選定療養の眼内レンズでもレーザー白内障手術を希望される際は自費料金となります。

自費診療 〜世界の優れた多焦点眼内レンズです〜

種類 屈折型 EDoF 3焦点 5焦点
外観 LENTIS Mplus Miniwell READY FINEVISION Intensity
名称 LENTIS Mplus Miniwell READY FINEVISION Intensity
加入度 +2.00/+3.00 +3.00 +3.50 +3.00
費用 580,000円 580,000円 580,000円 580,000円
  • 自費診療は全てレーザー白内障手術にて行われます。
新しい多焦点眼内レンズ

技術開発が進み、選択肢が増えています。

5焦点
遠方、遠中、中間、近中、近方の計5つの焦点を持つことで、全距離(遠方から40㎝)において視力の落ち込みが少ない最新の多焦点眼内レンズです。ハロ・グレアも少なく、日常生活のあらゆる活動をカバーしてくれます。
連続焦点型
薄暗い環境下でも遠方から手元まで連続的にコントラストの高い視機能を提供します。視認性は現在主流の3焦点タイプよりも優れているという報告があります。
3焦点
中間距離の見え方を改善するために開発されたのが、3焦点眼内レンズです。遠方・中間・近方共に焦点が合い、世界で最も注目を浴びている多焦点眼内レンズと言えます。
EDoF(焦点深度拡張型)
遠方から近方まで同等に見えるよう設計された、新しい概念の多焦点眼内レンズです。より自然な見え方を実現します。ハロー・グレアが少なく、コントラスト感度の低下も抑えられています。
屈折型
最近開発されたプレート型の多焦点レンズです。弱点であった近方視およびハロー・グレアを改善し、しかも完全オーダーメイドのため、強度の屈折異常(近視・遠視・乱視)の方にも対応可能です。
ピンホール型
加入度があるわけでなくレンズ中央にリング状のマスクを設けることで、ピンホール効果が発生し遠方から近方までスムーズに見ることができるEDoFレンズです。不正乱視やレーシックおよび円錐角膜の方でも適応となり乱視抑制効果も期待できます。自費診療となります。
今後多焦点眼内レンズは、
「3焦点以上」と「EDoF」に収束していくと
予測されますが、
術前検査の結果を基に
患者様の背景やライフスタイルに合わせ
最適なレンズを選択させて頂きます。
術後の「眼内レンズ」
トレーニング

白内障手術は一夜にして自分の目が生まれ変わる手術です。
特に多焦点眼内レンズを挿入された方は、近くの見え方に初めは戸惑います。
そこで早く近方視に慣れて頂くためのトレーニングがありますのでご紹介します。

  • なるべく大きな文字の書いてある
    少し硬めの本を用意します。
  • まず目の前に本を近づけます。
    当然ぼやけて何も見えません。
  • ゆっくりと離していき、
    ピントの合う距離で手を止めます。

何度か繰り返すうちに、近方視のベストな距離感をつかめるようになります。

多焦点眼内レンズに
どうしても慣れない場合

単焦点眼内レンズに入れ替えが可能です。

前述のハロー・グレアを含め、多焦点眼内レンズの見え方にどうしても慣れない方もなかにはいらっしゃいます。その際は、数ヶ月以内であれば強固な癒着は起きていませんので、単焦点眼内レンズに入れ替えることが比較的容易にできます。しかし再手術は最初の手術よりは難しくなります。合併症のリスクもありますので医師とよく相談して慎重に決断して下さい。