ウイルス性結膜炎(うぃるすせいけつまくえん)

結膜とは、上下のまぶたの裏側と白目(強膜)の表面を覆っている半透明の膜です。血管が豊富で、また免疫反応を司るリンパ組織もあります。結膜は直接外界と接しているので、いろいろな病原物質にさらされやすい環境にあります。

ウイルス性結膜炎とは、ウイルスが感染することによって起こる結膜炎です。結膜が充血し、目やに(眼脂)が出たり、目の痛みや異物感などを主な症状とする病気です。原因ウイルスには、アデノウイルス・エンテロウイルス・コクサッキーウイルス・ヘルペスウイルスなどがありますが、ヘルペスウイルス以外のウイルスが原因で発症した結膜炎は、他の人に感染させるカが強く、時に角膜に点状の混濁が残り視力低下の要因になることもあります。

種   類

  1. 流行性角結膜炎
  2. 咽頭結膜熱
  3. ヘルペス性結膜炎

治   療

ヘルペス性結膜炎以外のウイルス性結膜炎に対しては、今のところ残念ながら特効薬はありません。感染したウイルスに対する抗体が体内で作られるのを待つしかありません。通常、炎症を抑え、細菌による二次感染を防止するための目薬を使用します。角膜に点状の混濁がみられた場合はステロイドの点眼を数か月から半年ほど使用することがあります。ヘルペスウイルスには抗ヘルペスウイルス作用を持つ眼軟膏を用います。また症状によっては抗ウイルス薬の内服や点滴治療を併用することもあります。

感染予防

ウイルスによる結膜炎と診断されたら、周囲の人にうつさないように注意しなければなりません。
他人へ感染させる恐れのある期間は、流行性角結膜炎や咽頭結膜熱では約1〜2週間、急性出血性結膜炎では3〜4日です。ウイルスは目をこすった手や目を拭いたハンカチなどから感染することがほとんどです。
感染を予防するにはよく手を洗うことが重要です。また目を拭くときはティッシュペーパーなどの使い捨てのものを使い、タオルなどは家族と別のものを使ってください。お風呂は最後に入るようにしましょう。